「不妊治療と仕事の両立がもう限界かもしれない」「通院のたびに休みを取るのがつらい」「このまま治療を続けるなら、休職した方がいい?」「いっそのこと仕事を辞めて、治療に集中した方がいいのかな……」
不妊治療を続けていると、こんなふうに悩むことがあります。
私自身も何度も「もう仕事を辞めたい」と思いました。
私は30代でAMH0.6と分かり、不妊治療を開始。これまで採卵を6回経験し、転院もしました。
治療中は、半休36回・有給休暇6回を使いながら仕事を続けてきました。
それでも、治療が長引くにつれて、「このまま仕事を続けられるのかな」「休職したら収入はどうなる?」「退職したら治療費を払える?」「正社員ではなく、もっと時間の融通がきく働き方に変えた方がいい?」と何度も考えました。
実際に転職サイトや転職エージェントにも登録し、フレックス勤務や在宅勤務、派遣社員などの働き方を調べたこともあります。
それでも最終的に私は、今の仕事を続けるという選択をしました。
ただし、これは「不妊治療中でも絶対に仕事を辞めない方がいい」という意味ではありません。
体調や精神的な負担、治療の状況、家計、職場環境によって、最適な選択は変わります。
この記事では、私自身の経験をもとに、
- 不妊治療で仕事を休職・退職したくなった理由
- 会社に不妊治療を伝えるか迷った経験
- 休職・退職する前に確認したい会社の制度
- 傷病手当金は不妊治療でも使えるのか
- 休職すると収入はどのくらい減るのか
- 正社員・扶養内パート・フリーランスを比較するとどうなるか
- 私が最終的に仕事を続けることを選んだ理由
- 「辞める・続ける」を決める前に考えてほしいこと
をまとめます。
「もう辞めるしかない」と決める前に、少しでも選択肢を増やすきっかけになれば嬉しいです。
- 結論|休職・退職を決める前に「制度・お金・体調」を確認してほしい
- 私が不妊治療で休職・退職を考えた3つの理由
- 採卵6回・半休36回・有給6回でも私は仕事を辞めなかった
- 会社に不妊治療を伝えるべき?|私が上司に相談したタイミング
- 上司へ伝えた結果|理解してもらえても申し訳なさは残った
- 休職・退職する前に、まず「就業規則」を確認しよう
- 不妊治療と仕事の両立で確認したい制度7選
- 傷病手当金は不妊治療でも受け取れる?
- 傷病手当金はいくらくらい?|「給与の約3分の2」だけで考えない
- 月30万円の給与ならどうなる?|簡単なイメージ
- 休職を考えたら、まず家計をシミュレーションしてみる
- 正社員を辞める?扶養内パート?フリーランス?|働き方を比較してみた
- 40歳・2年間で考えると?|働き方のシミュレーション
- それでも「会社員を続けること」が正解とは限らない
- 私が転職活動までして、それでも仕事を続けた理由
- 退職する前に確認したい「5つの質問」
- 不妊治療と仕事を両立するために「一人で抱え込まない」
- 私が採卵6回を経験して感じた「仕事と治療」のリアル
- 不妊治療と仕事で悩んだら、この順番で考えてみて
- よくある質問(FAQ)
- まとめ|「辞める・続ける」の前に、使える制度を全部確認してほしい
結論|休職・退職を決める前に「制度・お金・体調」を確認してほしい
最初に結論をお伝えします。
不妊治療と仕事の両立に悩んだとき、私はいきなり「辞める・続ける」の二択にしないことが大切だと感じました。
まず確認してほしいのは、次の3つです。
- 不妊治療休暇・特別休暇
- 半日・時間単位の有給休暇
- 積立有給
- フレックスタイム
- 時差出勤
- テレワーク
- 短時間勤務
- 休職制度
- 社会保険料
- 住民税
- 家賃・住宅ローン
- 生活費
- 不妊治療費
などをどう支払うのかまで考える必要があります。
お金だけを理由に、体調を崩してまで働き続ける必要はありません。
仕事が原因で心身の状態が悪化し、治療そのものに影響が出ているのであれば、休職や転職、退職を含めて働き方を変えることも選択肢です。
大切なのは、「仕事を続けること」ではなく、自分にとって後悔の少ない選択をすることだと思っています。
私が不妊治療で休職・退職を考えた3つの理由
① 採卵を繰り返しても結果が出なかった
私が本格的に仕事との両立に悩み始めた大きな理由は、治療結果がなかなか出なかったことです。
- 採卵しても凍結胚ができない。
- 刺激方法を変えても結果につながらない。
- 「次こそは」と思って治療を続けても、また振り出しに戻る。
そんな状況が続くと、身体的な負担だけではなく、精神的な負担も大きくなりました。
特に苦しかったのが、「この治療はいつまで続くんだろう」という不安です。
不妊治療は、最初から終了時期が分かっているわけではありません。
数か月で終わる可能性もあれば、治療が長期化することもあります。
私自身も、治療を始めた頃はここまで長く続くとは思っていませんでした。
② 通院のために休みを使い続けることがつらかった
不妊治療と仕事の両立で大変だったのは、単純に「休みが減ること」だけではありませんでした。
一番精神的につらかったのは、「また休まなければいけない」という気持ちでした。
採卵周期になると、数日おきに診察や採血が必要になることがあります。
さらに、採卵日が直前に決まることもあります。私の場合、ある採卵周期では、
| 時期 | 内容 | 休み |
|---|---|---|
| 1週目 | エコー | 半休 |
| 1週目 | 採血・エコー | 半休 |
| 2週目 | 採血・エコー | 半休 |
| 2週目 | 採血・エコー | 半休 |
| 3週目 | 採血・エコー | 半休 |
| 3週目 | 採卵 | 1日休み |
| 4週目 | 結果確認 | 半休 |
というように、何度も仕事を調整する必要がありました。
これが何度も続くと、「また仕事を休むの?」「周囲に迷惑をかけているのでは?」という気持ちになってしまいます。
実際、職場の人から嫌な顔をされたわけではありません。
それでも、自分が休むことで誰かが仕事をカバーしてくれることへの申し訳なさは残りました。
③ 治療費がかかるのに、収入を失うことが怖かった
もう一つ大きかったのがお金です。
不妊治療は保険診療だけで終わるとは限りません。治療内容によっては、
- 保険診療の自己負担
- 保険適用外の検査
- 先進医療
- 薬・サプリメント
- 交通費
- その他の治療関連費
などの支出があります。
私自身も治療を続ける中で、治療費や関連費用が大きな負担になりました。
「治療費が必要なのに、仕事を辞めて収入まで減らしたらどうなるんだろう?」
この不安が、私が仕事を続けることを考えた大きな理由の一つです。
採卵6回・半休36回・有給6回でも私は仕事を辞めなかった
私は採卵6回を経験する中で、半休36回・有給休暇6回を使いました。
ただし、6回の採卵がすべて同じ年度に集中したわけではありません。
そのため、有給休暇を使い切って欠勤になることは避けられました。
しかし、もっと短期間に採卵や移植が集中していたら、休暇だけでは足りなかったと思います。
この経験から感じたのは、「今は何とか仕事と両立できているから大丈夫」とは限らないということです。
治療が長期化する可能性も考えて、早めに制度を確認しておくことが大切だと思っています。
会社に不妊治療を伝えるべき?|私が上司に相談したタイミング
不妊治療と仕事を両立していると、「会社に治療のことを伝えた方がいいのかな?」と悩むことがあります。
私自身も最初は、できるだけ周囲に知られないようにしていました。
通院するときは、「通院のため半休を取得します」とだけ伝えていました。
不妊治療はとてもプライベートなことです。誰にでも話したいわけではありません。
また、「少し休みを調整すれば仕事と両立できるだろう」と思っていたからです。
しかし、治療が長期化し、採卵を繰り返しても結果が出なかったことで、考え方が変わりました。
私は採卵2回目を終えた頃に、上司へ不妊治療をしていることを伝えました。
治療が短期間では終わらない可能性があると感じたからです。
上司へ伝えた結果|理解してもらえても申し訳なさは残った
ありがたいことに、私の場合は上司に理解してもらうことができました。
「話してよかった」と思いました。
ただ、それですべての不安がなくなったわけではありません。
実際に休めば、誰かが仕事をカバーすることになります。
理解してもらえていることへの感謝と、「本当に迷惑をかけていないかな」という気持ちは同時にありました。
そのため、会社に伝えればすべて解決するわけではないということも、私の経験から感じています。
一方で、治療が長期化する可能性があるなら、早めに相談することで仕事の調整がしやすくなる場合もあります。

会社に伝えるかどうかに正解はありません。
職場の雰囲気や上司との関係、自分がどこまで知られたいかを考えて決めていいと思います。
休職・退職する前に、まず「就業規則」を確認しよう
「もう辞めたい」と思ったときほど、先に確認してほしいものがあります。
それが「就業規則」です。就業規則には、会社によって、
などが記載されています。
「うちの会社には不妊治療の制度なんてない」と思っていても、不妊治療専用の制度ではない一般的な制度が使える場合があります。
私なら、退職届を書く前に、「使える制度を全部確認してから決める」ようにします。
不妊治療と仕事の両立で確認したい制度7選
ここからは、私が実際に確認してほしいと思う制度をまとめます。
① 不妊治療休暇・特別休暇
会社によっては、不妊治療を目的とした休暇制度があります。
通常の有給休暇とは別に取得できる会社もあります。ただし、
- 有給なのか無給なのか
- 年間何日までか
- 半日・時間単位で取得できるか
- 証明書などが必要か
- 対象となる治療は何か
などは会社によって異なります。
「不妊治療休暇なんてない」と決めつけず、就業規則や人事に確認してみましょう。
② 半日・時間単位の有給休暇
不妊治療では、診察や採血だけで数時間で終わる日もあります。
そんな日に1日休むのは、かなりもったいなく感じます。
私自身も半休を何度も使いました。
会社に時間単位の有給制度があれば、さらに休暇を効率的に使える可能性があります。
なお、時間単位年休は労使協定など一定の条件のもとで利用できる制度です。
③ 積立有給・失効有給積立制度
会社によっては、通常なら失効する有給休暇を一定の条件で積み立て、病気や治療などに使える制度があります。
名称や利用条件は会社によって違います。
不妊治療は通院回数が増えるほど有給休暇を消費しやすいため、「積立有給がないか」も確認してみてください。
④ フレックスタイム制度
フレックスタイム制度が利用できれば、勤務時間を柔軟に調整できる可能性があります。
例えば、「朝に診察を受けてから出社する」「通院後に勤務時間をずらす」といった働き方です。
会社によってコアタイムなどの条件があるため、具体的な利用方法は確認が必要です。
⑤ 時差出勤
フレックスタイム制度がない会社でも、時差出勤制度が利用できる場合があります。
朝の診察を受けてから出社できれば、1日休まずに済むこともあります。
また、不妊治療専用の制度ではなく一般的な勤務制度として利用できる会社なら、治療内容を詳しく説明せずに利用できる可能性もあります。
⑥ テレワーク・在宅勤務
仕事内容によっては、「通院日は午前中だけ在宅勤務」「診察後に自宅から仕事をする」といった調整ができる場合があります。
不妊治療では、病院にいる時間だけではなく、
- 自宅から病院までの移動時間
- 待ち時間
- 採卵後の体調
- 疲労
なども負担になります。
働く場所を変えるだけで、両立しやすくなることもあります。
⑦ 休職制度
最後に確認したいのが休職制度です。
「仕事を辞める」前に、「一度休職するという選択肢はないか」を確認してみましょう。
ただし、休職制度の有無や期間、休職中の給与などは会社によって異なります。
また、休職したからといって、必ず傷病手当金を受け取れるわけではありません。
ここは私自身が調べて、一番注意したいと思ったポイントです。
傷病手当金は不妊治療でも受け取れる?
「不妊治療で休職したら傷病手当金をもらえる?」これは、私自身が休職を考えたときに一番調べたことでした。
結論からいうと、不妊治療をしているという理由だけで、傷病手当金が自動的に支給されるわけではありません。
傷病手当金は、病気やけがなどによって仕事に就けない場合に、健康保険から支給される制度です。主な支給要件として、
- 業務外の病気やけがによる療養である
- 療養のため仕事に就けない
- 連続3日間を含み4日以上仕事を休んでいる
- 休業期間について給与の支払いがない、または給与が傷病手当金より少ない
などがあります。
そのため、「採卵があるから休職した」「通院が多いから休職した」「治療に集中したいから休職した」というだけで、必ず対象になるわけではありません。
一方で、不妊治療に伴う体調不良などによって、医師から就労が難しいと判断されるケースでは、支給対象になる可能性があります。
例えば、重い症状や合併症などによって仕事ができない状態になっている場合です。
ただし、個別の状況によって判断されるため、「自分はもらえる」「自分はもらえない」と自己判断しないことが大切です。
主治医と加入している健康保険へ確認しましょう。
私自身もインターネットの情報だけでは判断できなかったため、加入している健康保険組合へ直接問い合わせました。
そこで初めて、「休職=傷病手当金がもらえるわけではない」と理解しました。
傷病手当金はいくらくらい?|「給与の約3分の2」だけで考えない
傷病手当金は、一般的に「給与の約3分の2」と説明されることがあります。
ただし、実際には標準報酬月額などをもとに計算されるため、単純に「手取りの3分の2」ではありません。また、休職中は、
などの支払いが続くことがあります。
つまり、「傷病手当金がもらえる=生活費が安心」ではありません。
休職前には、「毎月いくら入ってくるか」だけではなく、「毎月いくら出ていくか」まで計算しておく必要があります。
月30万円の給与ならどうなる?|簡単なイメージ
例えば、標準報酬月額が30万円程度だった場合を考えてみます。
働いているときの額面給与が30万円程度でも、傷病手当金は単純に「手取り30万円の3分の2」になるわけではありません。
実際の支給額は健康保険の計算方法によって決まります。
そのため、休職を考えたときは、自分の標準報酬月額をもとに、加入している健康保険へ確認するのが一番確実です。
私も「ネットで調べた目安」だけではなく、自分の健康保険組合に確認しました。
休職を考えたら、まず家計をシミュレーションしてみる
私が休職を考えたときにやってよかったのが、家計の数字を書き出すことでした。例えば、
- 給与
- 配偶者の収入
- 傷病手当金などの給付
- その他の収入
- 家賃・住宅ローン
- 食費
- 光熱費
- 通信費
- 保険
- 税金・社会保険料
- 不妊治療費
- その他の固定費
を書き出します。
さらに、「治療があと半年続いたら?」「1年間続いたら?」「採卵がさらに2回増えたら?」と考えてみます。
不妊治療は、予定どおりに終わるとは限りません。
だからこそ、私は「1か月」ではなく、「半年~1年」の家計を見ることが大切だと思っています。
正社員を辞める?扶養内パート?フリーランス?|働き方を比較してみた
私自身、転職活動をした経験があります。「もっと通院しやすい働き方に変えたい」と思い、
- フレックスタイム
- 在宅勤務
- 派遣社員
- 扶養内パート
- フリーランス
なども調べました。
そこで感じたのは、時間の自由と収入の安定は、必ずしも両立するわけではないということでした。
正社員のメリット・デメリット
- 毎月の収入が比較的安定
- 社会保険に加入できる
- 厚生年金に加入できる
- 有給休暇を利用できる
- 会社によっては休職制度がある
- 傷病手当金の対象になる可能性がある
- 通院と勤務時間の調整が必要
- 急な休みを取りづらい職場もある
- 治療と仕事の両方で精神的に疲れることがある
私の場合は、収入の安定性が大きなメリットでした。
扶養内パートのメリット・デメリット
扶養内パートは、勤務時間を調整しやすい場合があります。
そのため、「通院を優先したい」という人には魅力的な選択肢です。
一方で、収入が大きく下がる可能性があります。
例えば、単純化したモデルケースとして、年収120万円程度で2年間働いた場合、2年間の収入は約240万円です。
ここから不妊治療費が200万円かかるとすると、治療費だけで収入の大部分を占めることになります。
もちろん、実際の家計では配偶者の収入や生活費なども関係するため、この数字だけで判断することはできません。
大切なのは、「働きやすくなる代わりに、家計はどう変わるか」を確認することです。
フリーランスのメリット・デメリット
フリーランスは、働く時間や仕事量を自分で調整しやすいというメリットがあります。
不妊治療との相性が良いように感じるかもしれません。
私も一時期、フリーランスという働き方を考えました。ただし、
- 仕事量によって収入が変わる
- 体調が悪いと仕事ができない
- 毎月安定した給与があるわけではない
- 社会保険などの仕組みが会社員とは異なる
という不安もありました。
不妊治療は、治療費がいつまで必要になるか分かりません。
そのため私の場合は、時間の自由よりも収入の安定性を優先しました。
40歳・2年間で考えると?|働き方のシミュレーション
ここでは、働き方を考えるためのモデルケースを紹介します。
※あくまで一例であり、実際の手取り額や社会保険、税金、治療費などは人によって異なります。
- 40歳
- 正社員
- 年収420万円
- 手取り年収約330万円
- 不妊治療を2年間継続
- 治療費200万円
- 夫婦2人暮らし
この場合、単純に手取り収入から治療費を差し引くと、
| 働き方 | 2年間の手取り目安 | 治療費 | 治療費を引いた金額 |
|---|---|---|---|
| 正社員 | 約660万円 | 200万円 | 約460万円 |
| 扶養内パート | 約240万円 | 200万円 | 約40万円 |
| フリーランス | 約360万円 | 200万円 | 約160万円 |
となります。
もちろん、これは「働き方の優劣」を決めるための数字ではありません。実際には、
- 配偶者の収入
- 生活費
- 税金
- 社会保険料
- 治療費
- 助成制度
- 医療保険
- 働く時間
- 精神的な負担
なども考える必要があります。
ただ、私がこの数字を計算してみて感じたのは、「年収が少し下がるだけ」と思っていても、2年間という長い期間で見ると家計への影響は大きいということでした。
それでも「会社員を続けること」が正解とは限らない
ここは、私が一番伝えたい部分です。
ここまで読むと、「じゃあ、不妊治療中でも会社員を続けた方がいいんだ」と思うかもしれません。
私はそうは思いません。もし、
- 朝起きるだけでつらい
- 職場へ行くこと自体が苦痛
- 強いストレスで体調を崩している
- 治療のための通院ができない
- 仕事が原因で治療を続けられない
という状態なら、働き方を変えることも大切です。
不妊治療には、年齢や治療方針など、自分ではコントロールできない要素があります。
だから、「お金のために無理して働き続ける」ことだけが正解ではありません。

私自身も夫から、「仕事が原因で治療に影響が出るくらいなら、辞めてもいい」と言ってもらったことで、かなり気持ちが楽になりました。
「辞めてもいい」と思えたからこそ、逆に冷静に考えられるようになったのです。
私が転職活動までして、それでも仕事を続けた理由
私は実際に転職サイトや転職エージェントへ登録しました。
探していたのは、次のような働き方ができる仕事です。
派遣社員も選択肢として考えました。
ただ、求人を見ていると、「今より年収が下がる」という現実に直面しました。
治療中は時間も大切です。でも同時に、治療費を払うためのお金も必要です。
そこで、「今の会社を辞めてしまう前に、今ある制度を全部使ってみよう」と思うようになりました。
ありがたいことに、私の上司は不妊治療について理解してくれました。
その環境を手放して、新しい職場で一から人間関係を築きながら治療を続けることにも不安がありました。
結果として私は、「まずは今の会社でできることをやってみよう」と決めました。
退職する前に確認したい「5つの質問」
もし今、「もう仕事を辞めたい」と思っているなら、退職届を書く前に、次の5つを考えてみてください。
- 半休を使えないか
- 時間単位有給はないか
- 上司に相談できないか
- 在宅勤務はできないか
- 時差出勤はできないか
一度すべて確認してみましょう。
「退職」ではなく「休職」という選択肢があるか確認します。
ただし、休職中の給与や社会保険料などは必ず確認しましょう。
「今月払えるか」ではなく、「治療が1年続いても大丈夫か」という視点で考えてみてください。
- 高額療養費制度
- 医療費控除
- 医療保険
- 自治体の助成制度
などです。
不妊治療のお金については、別記事で詳しくまとめています。

また、高額療養費制度についても別記事で詳しく解説しています。

これも意外と大切です。「ずっと今の働き方を続ける」と考える必要はありません。
例えば、「まず半年は今の仕事を続ける」「次の採卵までは続ける」「体調が悪化したら働き方を変える」など、期限を決めて考える方法もあります。
不妊治療と仕事を両立するために「一人で抱え込まない」
不妊治療は、とてもプライベートなことです。
だからこそ、「職場には言いたくない」「誰にも相談したくない」と思うこともあると思います。
私も最初はそうでした。
でも、一人で全部抱えていると、「辞めるしかない」という考えに偏ってしまうことがあります。
相談できる相手は、必ずしも上司でなくても構いません。
- 人事・総務
- 主治医
- 配偶者
- 信頼できる家族
など、自分が話しやすい相手を選んでいいと思います。
厚生労働省も、不妊治療と仕事の両立について、本人向けのガイドブックや「不妊治療連絡カード」などを公開しています。
また、2026年4月からは、治療と仕事の両立支援について事業主の努力義務が始まっています。
「治療のために働き方を調整したい」と相談することは、決して自分勝手なことではありません。
私が採卵6回を経験して感じた「仕事と治療」のリアル
採卵6回を経験した私が、一番伝えたいことがあります。
それは、「仕事を続けるか辞めるかは、治療費だけで決めないでほしい」ということです。
もちろん、お金はとても大切です。仕事を辞めれば収入が減る可能性があります。
一方で、仕事を続けることで、
のであれば、働き方を変えることも必要です。
私の場合は、「仕事を続けた方が治療費を払える」という安心感が大きかった。
でも、それは私の状況だから出した答えです。
あなたに同じ答えが当てはまるとは限りません。
不妊治療と仕事で悩んだら、この順番で考えてみて
私なら、いきなり退職届を書くのではなく、次の順番で考えます。
- Step1今の会社の制度を確認
就業規則を確認
- Step2休暇の残りを確認
有給・半休・積立有給など
- Step3働き方を調整できるか考える
時差出勤・フレックス・在宅勤務・時間単位有給など
- Step4休職した場合の収入を計算
傷病手当金が利用できるのか、健康保険へ確認
- Step5退職した場合の家計を計算
1年間でいくら減るか考える
- Step6夫婦で話し合う
治療をいつまで続けるか、働き方はどうするか
- Step7それでも無理なら働き方を変える
休職、転職、パート、フリーランス、退職など
よくある質問(FAQ)
- Q不妊治療だけで傷病手当金をもらえますか?
- A
不妊治療をしているという理由だけで、必ず傷病手当金が支給されるわけではありません。
傷病手当金には一定の支給要件があり、病気やけがなどによって仕事に就けない状態であることなどが必要です。不妊治療に伴う体調不良などで医師から就労困難と判断される場合などは、対象となる可能性があります。
自分で判断せず、主治医と加入している健康保険へ確認してください。
- Q採卵や移植のために休職したら傷病手当金をもらえますか?
- A
採卵・移植のために休職したというだけで、必ず支給されるわけではありません。
「治療のために休むこと」と「病気やけがなどによって労務不能であること」は別に考える必要があります。個別の状況によって判断されるため、健康保険へ確認しましょう。
- Q不妊治療を会社に伝えた方がいいですか?
- A
必ず伝えなければならない、というものではありません。
ただ、治療が長期化し、急な通院や休暇取得が増える場合には、相談することで勤務調整がしやすくなる可能性があります。私自身は、最初は伝えずにいましたが、治療が長期化したタイミングで上司に相談しました。
結果的には、相談してよかったと思っています。
- Q不妊治療のために仕事を辞めるのは間違いですか?
- A
いいえ。仕事が治療や心身の状態に大きな悪影響を与えているのであれば、退職や転職も選択肢です。
大切なのは、「辞めることが正解」「続けることが正解」と決めつけないこと。
自分の体調、治療、家計、将来を総合的に考えて決めることが大切です。
- Q正社員と扶養内パートならどちらがいいですか?
- A
一概には言えません。正社員は収入や社会保険などの面で安心感があります。
一方、扶養内パートは勤務時間を調整しやすい場合があります。「治療との両立のしやすさ」と「家計への影響」の両方を比較して決めることをおすすめします。
- Q仕事を続けながら不妊治療をするには何から始めればいいですか?
- A
まずは、「今の会社で使える制度を確認する」ことから始めてみてください。就業規則を確認し、
- 有給
- 半休
- 時間単位有給
- 不妊治療休暇
- フレックス
- 時差出勤
- テレワーク
- 休職制度
などを確認しましょう。
まとめ|「辞める・続ける」の前に、使える制度を全部確認してほしい
不妊治療と仕事の両立は、本当に大変です。
私自身も、「もう仕事を辞めたい」「治療に集中したい」と思ったことが何度もありました。
採卵6回、半休36回、有給6回…振り返ってみると、よく仕事を続けられたなと思います。
でも、仕事を続けられたのは、私が特別強かったからではありません。「辞める」という結論を急がず、
ということを一つずつやったからだと思っています。
そして、もう一つ大切なのは、「仕事を続けること」そのものを目的にしないこと。
仕事を続けることで安心して治療を続けられる人もいます。
反対に、仕事を辞めたり働き方を変えたりすることで、治療に向き合える人もいます。
どちらが正解というわけではありません。

私がこの記事を通して伝えたいのは、「もう辞めるしかない」と思ったときこそ、一度立ち止まって、使える制度・お金・働き方を全部確認してみてほしいということです。
私自身、制度を調べたことで、「辞めるしかない」という状態から、「もう少し今の仕事を続けてみよう」という選択肢を持つことができました。
この記事が少しでも選択肢を増やすきっかけになれば嬉しいです。
💡次に読みたい記事
▼ 不妊治療のお金について知りたい方へ

▼ 高額療養費制度について知りたい方へ

▼ 不妊治療に使えるお金の制度をまとめて知りたい方へ

💡参考資料
※制度の内容や支給条件は変更される場合があります。実際に利用する際は、勤務先、加入している健康保険、厚生労働省などの最新情報をご確認ください。
「なぎ」
30代でAMH0.6(卵巣予備能が低い状態)と診断され、不妊治療を開始。
採卵や転院を経験し、保険適用後も総額100万円を超える治療費を経験しました。
このブログでは、自身の体験と、公的機関が公開している制度情報をもとに、不妊治療のお金・制度・仕事との両立・ライフプランについて発信しています。
専門家ではありませんが、一人の当事者として、「もっと早く知っていれば」と感じたことを、これから治療を始める方にも分かりやすく届けたいという思いで記事を書いています。

